スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

海外で認められるということ~お金の前に仕事を追う~<後篇>

連続日記4作目後篇。これが最後です。


~後編~

「外国人は入れない」と言われていたフランスの一流ファッション店で働き、
ファッション業界の著名人と働いてきた三宅さん。

フランスで働かれていた当時の写真を見せていただきましたが、
どのお写真も肩を組んだりした写真で、
とても仲がいいのが伝わってくる写真でした。
彼らからは今も連絡が来るようで、よく驚かれるみたいです。

三宅さんはお仕事はもちろんのこと、お料理にも精をだしました。
遅くまで頑張るスタッフのために、
五目御飯にして鶏肉や人参とか入れて、おむすびにしていろんな部門を廻っていくそうです。
(フランスでは白米は野菜と同じなので色をつける必要があるとのこと)

「これ、日本のご飯です~。よかったら召し上がってください!」と渡すと、
仕事が続いてお腹がすいているので、とても喜ばれたり。

また、自分のアパートに同僚を呼んでご飯をふるまうことも。
ある時は「すいとん」(小麦粉で作られた、青森秋田付近の郷土料理)を作ってだしたら、
「SUITON!」「SUITON!」と連呼されたらしい。

三宅さんの料理は毎回好評で、
フランスでは何人もの人に結婚話をもちかけられたらしいです。
フランスでは「胃の腑(ふ)をつかめ」=「お嫁さんにするなら、料理が上手な人を選べ」と言われるらしく、
「君と結婚したら毎日こういう料理が食べられるの?」と言われてたそうです。


三宅さんの卒業証書。
フランス語なのでわかりませんでしたが。。

20110630 1



そんなフランスでバリバリ仕事をしていた三宅さんですが、
ご両親の体調がよくないと日本から連絡が入ります。

ニナ・リッチでのキャリアや一緒に働いていた仲間たちのことを考え、悩みに悩んだ末、
帰国することに決心をします。

「ここで働きたい人はいっぱいいる。
 でも、両親にとって娘は私一人だけだ。」

こうして三宅さんはEU(ヨーロッパ経済連合)の統一前に日本に戻ってきたのでした。


<帰国後>

「君はいつか日本に帰るだろう。
 でも、君は本当に技術がある人だから、絶対に服を作る仕事を続けて欲しい。
 一人で何でもできるように修行していきなさい」

とかつてフランスの恩師に言われた三宅さんは、
日本でも才能を活かし、今でもアトリエで洋服を作る仕事をされています。
フランスにもお仕事の関係で時々行かれているみたいです。
渡仏すると「ミヤケ、君のような技術がある人間がもうあまりいないんだよ」と言われるとか。
彼女は「立体裁断」という、型紙から布を切るのではなく、
ボディ(マネキンみたいな、人の体に似せてある台)から洋服を形作っていく技術を持っていらっしゃいます。
(今回作っていただいた母のドレスも、母の体にあった素晴らしいラインでした。)

◆海外で認められた理由

お話を聴いた後、
外国人というハンデを乗り越えて海外で認められた三宅さんの分析をしてみました。

①仕事が大好きであり、仕事への責任感がすごくある

<仕事に夢中>

当たり前ですが、一流の人は自分の仕事を愛してるな、と実感。
「わたし、女の人をセクシーに見せたり、綺麗にしたりすることがとにかく好きなの」とのこと。

前述したように、ブティックのお客様に商品を提案するときも、
「売ってやろう」という気持ちは全然なく、
「こうしたらこの人、綺麗になる!」と思って提案していたとか。

もちろん仕事ですから嫌になったり疲れたりすることが多々あるでしょうが、
そんなそぶりは微塵もありません。

<責任感>

「作った服にはものすごい責任を感じる。
 お客様に満足して頂けるまでは不安。」

とのこと。
作った洋服にアトリエの名前が縫い付け、
「この服は○○が作りました」という保証をするのがオートクチュールの世界。
もし着る人が太ったり痩せたりした場合、
変化した体型に応じてお直しも無料でしてくれます。
自分の仕事にとことん拘りをもって取り組んでいる姿勢が伺えます。

②お金から入らない。まず仕事を追う。

日本でまだ洋裁学校にいたとき、
技術を身につけるために丁稚奉公のつもりで「お金はいらないので、ここで働かせてください」と
洋服屋で働いたそうです。

「学校って、「学校」なのよね。
 この世界で働こうと思ったら、仕事しているところで働かないと。
 仕事への責任感とか納期を守ったりすることやプレッシャーのかかり方なんかは、
 学校にいるだけでは絶対にわからないから」

「このお給料じゃやってられないって、そこから入る人が多いの。
 彼らはアーチストなのよね。
 デザインはやりたい、でもまつり縫い(基本的な縫い方の一種)も
 ロクにできないでそういうことを言う人がいるの。」

彼女の体力も感服するところです。
私も少しアパレル業界にいたのでわかりますが、
コレクション前とかは夜中まで仕事しているところが多いです。
(間に合わないから)

ちなみにこの日の三宅さんは徹夜明け。
ご両親の看病もあるためよく完徹(一睡もしない)されているらしいのですが、
疲れているように全く見えないのが驚きでした。
むしろ昼寝でもされたのではと思うぐらいの元気でいらっしゃいました。

③笑顔と心配り(と、多少の鈍感さ)

日本に限らずフランスでも愛され、仕事に恵まれる三宅さん。
実力があるのは勿論大事ですが、

有名な先生に師事できたり(ライバルがすごく多い)、
コレクションで靴を支給してもらったり(普通学生は自分で安い靴を買う)、
一流企業からのオファーがあったり(外国人へのオファーはその当時なかった)、
お城を持ってるお客様からプライベートで呼んでもらってお城での生活が始まったり、

そういうことが連続するのは理由があるのではないでしょうか。

あくまで推察ですが、その理由は「人に喜んでもらいたい気持ち&笑顔」だと思います。

<笑顔・愛嬌>

日仏学院の受付の時、他にも働いている同業がいるのに彼女の前にだけ列ができたことは述べましたが、
学生の時にアイスクリーム販売のアルバイトをしたことがあり、
そこでも彼女の人当たりのよさが発揮されたようです。

「3日で売ってね」と言われて渡された量を、
1日で売る量だと勘違いして売り切ってしまい、本部に「もうなくなりましたので、明日の分をください」と申請。
「え、3日分渡しましたよね?」と言われ、
通常の目標をはるかに超えて売り上げたため、アイスクリームの会社からスカウトがあったり。
三宅さんはこの売れた理由を笑顔だとはおっしゃってませんでしたが、
私は三宅さんの楽しそうな雰囲気や会話でアイスクリームが売れたのではと推測しました。

(余談ですが数日前、「笑顔を向けられて嫌な気持ちになる人はいない」という方針で、
名古屋の地下街で通行人を「お客様」に変えようと努力した結果
売上げを伸ばしているブティックの記事が繊研新聞(ファッションの専門誌)に載っていましたが、
通じるものがありそうです。)

フランスでもお人柄を活かして分け隔てなく友達を増やしていった結果、
お仕事も沢山くるようになったのだと思います。

笑顔は世界共通なのかー。
(※もちろん時と場合、キャラによります)

<心配り>

前述のとおり、仕事に一所懸命に取り組むだけでなく、
プライベートでは料理を作ってお友達をもてなした三宅さんは、
クリスマスの時や夏休みなど、プライベートでいろんなお家に招かれたそうです。

また、学校で授業中に先生が頭が痛そうだと察した時は、
すぐに薬屋にいって風邪薬を買って先生にあげて喜ばれたり。

「ここまでしたら、便利づかいされるかな」
「いいように使われるかな」

というように私だったら考えちゃうかも、と思うのですが、
そういうところがないのですね。
まず先に、与えられる前に人になにかプレゼントしてる(笑顔、労働力、美味しいご飯etc.)。

それに写真を見ながらお話しすると、

「この方にも可愛がってもらって」

とよく仰る。
「○○してやったんだ」というところがないのですね。

「わたし鈍感なのよね~」とおっしゃっていましたが、
いい意味での鈍感さって必要なのかなと思います。




今回お話を伺った三宅さんはファッションの世界にいる方で、
私は興味があれど今は違う仕事をしています。
けれども業界のジャンルを超えて、
三宅さんの生き方は本当に参考になることばかりでした。

私の拙い文章だけでは彼女の魅力が伝えられないのが残念です。
三宅さんありがとうございました!
(最後まで読んでくださった方もお付き合い有難うございました)


<おまけ>

コレクションでだした服の一つ。
日常で着るデザインではないと思いますが,
この刺繍は見事でした。

20110630 2

20110630 3
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。